実務編 Vol.13【離職した労働者の派遣受入禁止】
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平成24年11月13日
川相いい仕事マガジン 実務編 Vol.13
発行:川相商事株式会社 『働く喜びを感じるヒト』創造企業
担当:中島 政孝
◆ テーマ : 改正派遣法に関する情報提供
★ 離職した労働者の派遣受入禁止 ★
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いつもお世話になっております。
川相商事 大阪本社所属の 中島 政孝 です。
どんどん冷え込んできましたが、我が家では、まだ暖房を使用していません。
例年12月からです。
でも先週、家族からの非難が。。。(´Д`)
「父ちゃんは、会社で環境ISOの担当者や。
家でも省エネに協力するねん!」と言うと、
「家に仕事を持ち帰るなぁー!!」と昨夜も怒られてしまいました (T_T);
さて、今号は、初刊vol.1でご紹介した「改正派遣法のポイント」の(10)についてです。
(「改正派遣法のポイント」は下部に掲載しています)
【離職した労働者の派遣受入禁止】
離職後、1年位内の労働者派遣の禁止ということですが、具体的には、
・離職した労働者を離職後1年以内に離職前事業者へ派遣労働者として、
→ 派遣することを禁止(派遣元の義務)
→ 派遣を受け入れることを禁止(派遣先の義務)
したということです。
尚、この改正において、派遣先、派遣元に係る注意点が4つあります。
1.ここでいう「事業者」は、「会社」を意味します。事業所単位ではありません。
例えば、A社札幌支店に勤務していた従業員が、出身地の大阪に戻り1年位内に、A社大阪支店に
派遣労働者として勤務することはできないということです。事業者が同じだからです。
派遣先の受入担当者様は、派遣労働者が自社の元従業員であるか否かを必ずチェックしなければ
なりません。また、すぐにチェックできるように整備しておく必要があります。
2.「60歳以上の定年退職者」 については、禁止対象から除外される労働者となりました。
3.派遣先は、当該派遣労働者が離職後1年以内である時は、書面等によりその旨を派遣元事業主に
通知しなければなりません。
4.離職した労働者とは、社員だけではなく、パート、アルバイトなど直接雇用していた全ての従業員です。
例えば、学生時代勤務していたバイト生が、卒業後1年以内に派遣労働者として働くこと、
また、フルタイム勤務が困難で退職したパートが、退職後1年以内に週3日勤務の派遣労働者として
働くこと、こういった人たちも受け入れると違法ということになります。
以上の点に加えて、もう一つ、改めて注意しなければならないことがあります。 それは、
5.派遣抵触日を迎え、派遣スタッフを直接雇用し、派遣スタッフとして戻すということの禁止です。
元々、告示37号でも禁止されていましたが、、、本改正で明確に禁止されました。
この注意点の4の 「派遣 → 直雇用 → 再派遣」 の手法は、抵触日対策としては
一切通用しなくなるので、十分な注意が必要です。
==【質問コーナー】==================================
質問:A社の社員が退職して3ヶ月、A社工場内で働いていたので、尋ねると、請負会社の請負
現場で働いているとの事でした。離職後1年以内の受入において抵触しませんか?
答え:派遣スタッフとして、A社で再勤務しているのではなく、請負会社の従業員としてA社内
にある請負現場で働いているので、抵触しません。
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次号は、『 労働契約申込みなし制度 』についてです。
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■改正派遣法のポイント■
(1)派遣法の法律名、目的の改正 ・・・ 「派遣労働者の保護」、「雇用の安定」が明記
(2)派遣元事業主の欠格事由の追加 ・・・ 脱法行為をする派遣会社の排除
(3)専ら派遣の制限 ・・・ 関係会社(グループ会社)への派遣を8割に制限
(4)派遣料金のマージン率公開 ・・・ 派遣料金と賃金との差・マージン率を公開
(5)派遣労働者に派遣料金の公開 ・・・ 雇用時等に派遣料金を派遣労働者に公開
(6)無期雇用への転換推進 ・・・ 有期雇用から無期雇用への雇用条件改善
(7)均衡待遇の確保 ・・・ 同種業務従事者との賃金等の均衡待遇
(8)派遣労働者の福祉の増進 ・・・ 教育訓練等の機会確保
(9)日雇派遣の禁止 ・・・ 日々または30日以内の派遣の原則禁止
(10)離職した労働者の派遣受入禁止 ・・・ 1年以内に離職した従業員の派遣受入禁止
(11)労働契約申込みなし制度 ・・・ 抵触日違反等で労働契約の申込をしたとみなす
※(11)は改正法施行後、3年後に施行
(12)その他
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