Vol.100【「徹底されたボトムアップ」から、労務管理を考える】

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  川相いい仕事マガジン vol.100
   発 行:川相商事株式会社
   Kawai Syouji Group
   『働くよろこびを見つけるヒト』創造企業 http://www.e4510.jp/
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   川相マガジン   e4510情報 (いい仕事情報)
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川相いい仕事マガジンも、今号で記念すべき100号となりました。
2009年6月より配信を開始してから8年が過ぎました。

これまで長きに渡り、ご愛顧いただき誠にありがとうございます。

これからも、皆様のお役に立つ情報の発信に努めますので、
今後ともよろしくお願い申し上げます。

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  「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
  労務管理事務所フォージョウハーフの日比野大輔がおくる
  社労士、日比野の現場紹介—☆★☆
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    「徹底されたボトムアップ」から、労務管理を考える
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いつもメルマガをご愛読いただき、
どうもありがとうございます。

労務管理事務所フォージョウハーフで
コンサルティングをしています辻と申します。

11月になり随分寒くなってまいりました。

きっとあっという間に年末になり、皆さまお忙しい時期に突入されると思います。
体調にはどうぞお気をつけください。

さて、激務かつ低賃金、事業として利益を出しにくいと言われる、
そんな介護・福祉の業界で、非常に好業績を出している会社の
【ユニークな取り組み】を、ご紹介したいと思います。

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┃従業員が自ら決断できる会社づくり
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厚生労働省が、「日本で一番大切にしたい会社大賞」として表彰する
株式会社エイチ・エス・エーの取り組みを紹介させていただきます。

同社は、従業員数300人弱(パート含む)、
毎月一人当たりの残業時間は1時間以下、

正社員の離職率は4%、採用も募集を出せば、希望者が集まり、
経常利益も8%を超えます。

では、具体的にどんな取り組みをしているのでしょうか?
ユニークな取り組みのうち、以下の3つを紹介します。

①昇格は選択立候補制
②採用は先着順
③人事制度の廃止

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┃昇格は従業員自ら立候補
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「会社の根本になるのは、そこで働く人間なので
一人ひとりが何にチャレンジするかを自分で選択し、その道を歩む。

それこそが仕事のやりがいになるのではないか」という考えのもと、
昇格するかを従業員自ら選択、決断、立候補し条件をクリアした者が
昇格するという制度を取り入れています。

昇格しない道を選びたい従業員の意思、
役職者になり権限が得られることでやりがいを感じる従業員の意思、
どちらの意思も尊重します。

従業員は自分で選択するので不満は少なくなりそうですし、
なにより、自分で選んだからこそ、必死になるかもしれません。

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┃従業員を選ばない採用活動
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昇格の選択立候補制と並んで注目されているのが、
従業員を選ばない先着順採用。

レベルの高い働きをするかは、入社後に本人が決めればいいこと、と
ここでも働く人の自主性を尊重しています。

具体的な採用活動は
面接の際、会社の理念や業務の詳細、労働条件などについて丁寧に説明します。

どこの会社でも行っていそうですが、
この会社では、応募者の経歴や適性などを考慮せず、応募の順番に採用し、
会社は選考を行いません。

面接後すぐにトライアル契約を交わし、会社や業務内容が自分に合っているか
働きたいと思うかどうかを本人に見極めてもらう期間を設けます。

これが終わると正式な採用になります。

この採用活動で大切にするのは、採用のときにミスマッチを起こさないことです。

どのような業務を何時間すればいくらもらえるのか、
この会社が何を目指しどこへ向かうのか…

これをしっかり体感し納得してもらうことで
離職が防げるのだと社長はおっしゃっています。

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┃人事制度の廃止
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人が人を評価する人事評価制度は、【他者の存在、人格を認め理解する】
という会社の理念に反するのではないかとの指摘が従業員から上がり、
廃止に踏み切ったそうです。

廃止するまでは他の企業と同じように自己評価や所属長による評価などを経て
昇格させる制度を取っていましたが、うまく機能しなかったそうです。

さらに、理念の下では社長も正社員もパート職員も平等。
財務表や預金残高もすべて従業員に公開し、会社の資産状況を共有しています。

それは、社長と現場の従業員との間に情報量の差があると、対等に意見を
言い合えないから、また全員でひとつの同じ目標を持って共に考え
実行していくためだそうです。

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┃人材育成に費用や手間を惜しまない
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事業の運営に役立つ知識の習得も積極的に支援しています。
ある年の、研修や勉強会の開催数は70回以上。

テーマはそれぞれで業務改善法、マナー接遇、プレゼンテーション、
介護事業ならではの研修等、その種類は多岐にわたります。

外部講師によるものや従業員や社長が講師を担当するものなど、
方法も様々です。

外部講師による研修に参加した場合は、報告書の提出と、自身が講師となって
学んだ内容を所属部署のメンバーに研修することが必須条件です。

人に教えるつもりで学び、実際に教えることで研修の内容が
身につくためだそうです。

こうした結果、従業員が社外から講師として依頼を受けるケースも出てきており、
社内全体のスキルアップに手応えを感じているそうです。

同社では、将来、ひとつの地域で衣食住が回っていく、循環型の環境を
作りたいという夢を抱いており、その理由は、消費する分だけ作って地域内で
循環させることにより、余計な欲がなくなり時間をもっと有意義に使えるのではないか
と考えているからだそうです。

世の中ももっと選択の幅が広がっていったらいいな。と社長は話します。

ここまで、会社をご紹介させていただきました。
私は、この会社の取り組みを知ったとき、
時代は変わろうとしているのかもしれないと、そう思いました。

経営に正解や間違いはないのかもしれませんが、
しかし、人が人らしく生き生き働ける環境に幸せを感じることに
違いがないように思います。

このような会社がもっと増えていけば、
仕事で幸せになる人が増えていくのだろうと思います。

社会的にメンタル不調者や、ひいては自殺者がこれほど多い状況を考えると、
この会社の取り組みは、社会的にも大きな意味があるようにも思えます。

これから寒さが厳しくなっていくようです。お風邪などひかれませんよう、
ご自愛くださいませ。

 

  労務管理事務所 フォージョウハーフ
  労務コンサルタント 辻
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 「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
  労務管理事務所フォージョウハーフ
  【社会保険労務士】日比野大輔
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