Vol.124【陽明学の体験】
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川相いい仕事マガジン vol.124
発 行:川相商事株式会社
Kawai Syouji Group
『働くよろこびを見つけるヒト』創造企業 http://www.e4510.jp/
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川相マガジン e4510情報 (いい仕事情報)
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当社では毎年、職域別に社内研修を実施しています。
社内研修は安全・品質、職場改善、障がい者雇用について、
仕事の考え方など、様々な内容で実施しています。
研修内容は自社で作成し、講師も自社で養成しています。
研修は社内だけではなく、社外でも高校、大学のスポーツクラブ所属の
学生向けにも実施しています。
ご興味のある企業様は、是非お問合せ下さい。
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「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
労務管理事務所フォージョウハーフの日比野大輔がおくる
社労士、日比野の現場紹介—☆★☆
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陽明学の体験
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こんにちは
フォージョウハーフ の日比野です。
今、私は中国の紹興市と揚州、社会保険労務士の仲間と
研修・視察にきています。
今回の視察の目的は、今、中国ビジネス界で流行している陽明学を
体験することでした。
その体験を紹介したいと思います。
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┃陽明学とは何か?
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陽明学とは中国明代末の軍人であり儒者である王陽明が提唱した
儒学の新しい解釈で、
江戸時代には、商人を中心にこの理解の仕方が流行し、
幕末の志士の多くもこの考え方に大きな影響を受けました。
また明治以降には、渋沢栄一、松下幸之助、稲盛和夫など
現代の経営者にも大きな影響が見られます。
この陽明学、中国では文化大革命によって、禁学・絶学となっていました。
陽明学⇒ https://ja.wikipedia.org/wiki/陽明学
陽明学の基本的な考え方は、万人に等しく良心があり、
教えられずとも人として何が正しいかは知っており(これを良知という)、
良知に忠実に行動することが大切だというものです。
この中国では禁学であった陽明学を習近平総書記が、
ここ数年、国の宝であると奨励しだしました。
実は、その10年も前からIBMのリーダーである白立新さんを
はじめとしたIT系の経営者の間では盛んに勉強が進んでいました。
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┃中国で陽明学が流行した背景
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中国では、急激な経済の発展による環境汚染が
大きな問題となっていました。
さらには一人っ子政策により甘やかされて大きくなった若者の
自己中心的思考は、家族的なつながりに幸せの根幹を置く中国では
非常に悩ましいものとなっていました。
これらは国策や法律でどうすることもできず、
国民一人一人の道徳観をなんとかする必要があったのでした。
この問題意識を一番最初に持ったのが、自らが小さな国ともいえる
組織をリードしていく経営者たちです。
そのような背景から、中国では
京セラの稲盛和夫、松下幸之助の経営学が非常に流行しました。
そして、その経営学の背景にある「陽明学」を学ぶ人も
たくさん増えていったのだと思われます。
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┃王陽明のお墓
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紹興市にある王陽明のお墓を参拝しました。
広大な野原の中に陵墓があり、
陵墓へ至る道には綺麗に石畳が敷き詰められていました。
施設は古くはなく、この10年、20年でできたような感じでした。
アテンドしてくださった陽明学研究者、経営者の方々は
中国の伝統的な参拝方法を丁重に私たちに教えてくださいました。
お参りの後、陵墓から石の階段を降りたところに、
一つの碑が立っていました。
そこには多くの日本人の名前が書かれていました。
その筆頭に、岡田武彦と刻まれていました。
文化大革命の際、陵墓は破壊され、その後、荒れ果てていたそうです。
それを1986年九州大学の岡田武彦教授が中心となり、募金を募り、
お墓の修復をしたのだそうです。
日本には陽明学の文献がたくさん残っており、また陽明学的な
儒学の実践者として、陽明学に興味を持つ中国人は見ているようです。
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┃国境を超えたコミュニティ
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陽明学に触れると、その考え方は非常に日本人に
馴染みがあることがわかります。
子供の頃に習った道徳に近いところが多いです。
また権威的な朱子学に対して、
庶民の間で流行した陽明学は非常にリベラルな感じがします。
これから超グローバル化が進む中、その価値を共有する人々の
新しいコミュニティが創造されていくとされています。
一つは宗教なのでしょうが、その区分は大きすぎます。
ラグビーのW杯などを見ているとその価値観、
ポリシーでコミュニティが生まれるというのも体感としてわかりました。
今回のツアーで感じました。陽明学的な価値観が、
アジアにおける一つのコミュニティを形成する旗となりそうです。
みなさまも一度、陽明学の世界に触れて見られてはどうでしょうか。
拙著 HP 「陽明学.net」
https://www.yomeigaku.net/
労務管理事務所 フォージョウハーフ
労務コンサルタント 日比野
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「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
労務管理事務所フォージョウハーフ
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