Vol.144【個人のスキルアップと会社の支援】

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川相いい仕事マガジン vol.144
発 行:川相商事株式会社
Kawai Syouji Group
『働くよろこびを見つけるヒト』創造企業 https://e4510.jp/
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川相マガジン   e4510情報 (いい仕事情報)
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現在は、お客様との商談もZOOM等のオンラインを活用する事が
多くなってきました。

直接、顔を合わせての対話と液晶画面越しの対話では、
お互いに相手に与える印象が違ってくる場合があります。

例を挙げると、うなずく行為では、オンライン対話は、
大げさにうなずいて、ちょうど良い感じで相手に伝わります。

意外と、意識をしていなければ、リアクションが小さく映り、
相手に同意が伝わりにくくなるかもしれません。

外国人に比べると、日本人は、自分の事よりも相手の気持ちを
先に考える事に長けているそうです。

今後も、当社は、お客様第一主義を貫いていきます。

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「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
労務管理事務所フォージョウハーフの日比野大輔がおくる
社労士、日比野の現場紹介—☆★☆
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個人のスキルアップと会社の支援
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いつもメルマガをご愛読いただき、
どうもありがとうございます。

労務管理事務所フォージョウハーフで
コンサルティングをしています野波と申します。

新型コロナウィルス感染症を契機に世の中のデジタル化、DXが一気に進み、
「場所にとらわれない」働き方の普及が加速しています。

距離や時間を飛び越えることが可能となり、いかに質の高い人材を
確保するか、質の高い人材に育てるのかが企業の課題になると言われます。

今回は、「個人のスキルアップ支援」について
焦点を当ててみようと思います。

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┃職に就いたら勉強しなくていいと思う新入社員
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今年の新入社員研修での話です。

「社会人と学生の違いはなんですか?」という質問に対して、
「社会人になったら、テストもないし、勉強しなくていい」

と答えた受講生がいました。
しかも、複数人。

みなさま、どう思われますか?
私は、これはまずいと思いました。

向上心は積極的なスキル習得・技術の向上へつながります。

多くの人事考課表に「向上心」という項目が入っているのは、
組織がそれを求めているからなのでしょう。

2019年「APAC(アジア太平洋地域)就業実態・成長意識調査」
という民間調査で、自己学習意欲が14か国中、日本が最下位という
結果がありました。

理由は様々あると思いますが、自分の成長のために、
何も取り組んでいないという回答が約半数あったのです。

さあ、これからさらにデジタル化、DX化が進み、
ビジネスにおいては国境がなくなりつつあります。

このまま外国企業が競合となったら、この新入社員たちは…。

(後日「教わることがたくさんあって大変だが、しっかり復習して、
早く技術を身につけたい」と言っていて安心しました。)

これからのAI化、IoT・ロボットの普及で今までの常識では
通用しない時代が来る。

そうなると今までの技術知識では対応しきれないことが
出てくるだろうから、知識をアップデートさせるための
学びなおしの機会が必要だ。

総務省の「平成 30 年版情報通信白書」をみるとこんな考えのもと、
リカレント教育を推奨していることが読み取れます。

「リカレント教育」は人材が流動的であることを前提とした欧米で
はじまり、大学で学びなおし、ステップアップ転職を良しとする
文化背景で根付いたものです。

教育機関も社会人に対する門戸を開き、
受け入れ態勢が整備されています。(学費も安かったりします)

終身雇用の根付いた日本では、キャリアが中断されることを好まず、
退職して大学等に入りなおすことが浸透しにくい。

大学への入り直しや留学を支援する会社もありますが、一握り。

加えて、教育機関で社会人受け入れ態勢が整っていないことも重なり、
普及が進んでいないようです。

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┃学ぶ制度を支援する 給付制度
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退職して学校へ入りなおすより、働きながら学ぶというほうが
いまの日本社会ではとっつきやすいかもしれません。

ここでは、学びを後押しする給付制度として、3つの制度を紹介します。

①個人のスキルアップを支援する制度…雇用保険【教育訓練給付金】

教育訓練給付金には、
「一般」「特定一般」「専門実践」教育訓練給付の3種類あります。

雇用保険に原則3年以上加入していれば、学費・受講料等の一部が
補助される制度です。

対象講座は、専用サイトで検索できます。
https://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/SCM/SCM101Scr02X/SCM101Scr02XInit.form

給付額は以下の通りです。

一般教育訓練…受講料の20%(上限10万円)
特定一般教育訓練…受講料の40%(上限20万円)
専門実践教育訓練…受講料の50%(年間上限40万、合計上限120万円)
*追加支給要件あり

スキルアップの相談があったら、教育訓練給付金の制度案内を
してもよいでしょう。(手続きは本人が行います)

②会社が従業員のスキルアップを支援する制度…【人材開発支援助成金】

業務に必要な研修であり、会社が経費を全額負担して
「受けさせて」いる場合には、【人材開発支援助成金】が当てはまります。

たとえば、

雇用保険加入者に対して、合計20時間以上の研修を、
全額会社負担で行った場合に、研修費の30%(上限あり)が助成されます。

研修時間を労働時間として考える必要はありますが、就業時間内の
研修であれば賃金助成(1時間あたり380円)を受けることもできます。

*受講生が若年の場合など、特定の条件に合えば、優遇が受けられます。

①②いずれも受講前に届け出が必要なのですが教育や研修を
考えている場合はこれらの制度をうまく活用することができます。

③休業中の従業員の教育訓練を行う企業の取り組みを支援する制度
…【雇用調整助成金 教育訓練加算】

事業縮小のための休業日に研修を受けさせた場合には、
雇用調整助成金プラス、教育訓練加算が行われます。

特に、コロナ特例の期間は教育訓練加算の金額が
通常時の倍に設定されています。

休業中だからこそできる全体研修や、
技術向上研修を行う会社様もあります。

*事前に、受講予定の研修・受講する人が対象かどうかの事前確認を
しておくことをお勧めします。

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┃様々なスキルアップ応援制度のかたち
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人材育成について会社はどのような支援をしているのか。
状況により様々ですので、私が実際に話を聞いたケースをご紹介します。

とある小売りの会社では、これからは動画マーケティング、
ライブコマースの時代だから、「Webに強い人材を育てる」ということで

先の人材開発支援助成金を使いながら、
スタッフを動画作成の講座に通わせています。

「独立できるくらいの力をつけてもらいたい。本人のスキルアップは
会社のレベルを上げることになるし、優秀な従業員が増えることで、
組織力が向上する。」と社長は語ります。

また、とある整骨院では、スタッフが資格取得のため専門学校で
学ぶことを奨励し、併せて「雇用保険の教育訓練給付」を案内しています。

院長先生は、「私たちの仕事は、一人一人の技術が
重要になる業種の一つです。

業界トップになる人材を生み出していきたい。そうなりたいと思う人を
応援したい」と言います。

また、以前育休の記事で触れた「ジョブリターン制度(カムバック制度)」
ですが、スキルアップのための退職者を対象にしている会社様もあります。

ある会社様では、海外で専門技術を本格的に学びたいと自己都合退職を
したスタッフさんがおりました。

社長は、頑張っておいで、成長を楽しみに待っているからねと声をかけ、
送り出していました。

彼女は専門技術を身につけている最中でしょうか。

今でも連絡を取っているということなので、留学を終えた後には
その会社に戻ってくるのだと思います。

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┃コロナが醒ました危機意識
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冒頭に、日本人の自己学習意欲が14か国中最下位とお伝えしましたが、
内閣府の2020年の調査によると、コロナ禍の中、仕事への向き合い方が
変わったという回答が7割以上。

現在、巣ごもりで社会人向けのビジネス動画の利用者数が
伸びているとも聞きます。

コロナの収束時期が見えない現状は、一人一人がキャリアについて
考えるきっかけとなっていることがわかります。

働き方改革で残業が規制され、有給休暇の積極的取得が促され、
リモート化も進み、昔と比べたら、ワークライフバランスが
とりやすい社会になったと言えるでしょう。

働き方改革、リモート化によって増えた時間をどのように使うのか。
「本人のスキルアップは、結局は会社のレベルを上げる」
一人一人の意識に加え、会社の支援が風土を醸成します。

コロナ明けは海外が相手になっているかもしれません。
早い会社は来る時代に備えて
公的制度を利用しながら準備を始めています。

まずは今の(経営)課題解決に向けた研修計画を立てられても
よいかもしれません。

 

労務管理事務所 フォージョウハーフ
労務コンサルタント 野波
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「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
労務管理事務所フォージョウハーフ
【社会保険労務士】日比野大輔
【URL】http://www.4jh.jp/
【E-Mail】support@4jh.jp
【電 話】06-6945-5550
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