Vol.151【日本の製造業のこれから】

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川相いい仕事マガジン vol.151
発 行:川相商事株式会社
Kawai Syouji Group
『働くよろこびを見つけるヒト』創造企業 https://e4510.jp/
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川相マガジン   e4510情報 (いい仕事情報)
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2022年1月もアッという間に進み、
どの企業様もいろんな取り組みにかかっていることと思います。

そんな中、従業員500人以上では
すでに2016年にスタートしていますが、

今年は従業員100人以上の企業様、2024年は50人以上の企業様と
社会保険適用拡大があります。

いままで社会保険適用外であった方でも、
週の所定労働時間が20時間以上の方、

その他何点か要件はありますが、企業にも働く人にとっても
大きな影響があると思われます。

いままでも何度も法改正による対応をしてまいりましたが、
早めの準備が一番だということです。

早いからこそ想定外の問題にも善処できたことは多々御座いました。
今後もお客様とともに課題に取り組み前進していく所存です。

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「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
労務管理事務所フォージョウハーフの日比野大輔がおくる
社労士、日比野の現場紹介—☆★☆
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日本の製造業のこれから
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いつもメルマガをご愛読いただき、
どうもありがとうございます。

労務管理事務所フォージョウハーフで
コンサルティングをしています山之内と申します。

今回は日本のモノづくり―製造業について考えてみたいと思います。

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┃モノづくりが子どもの夢から消えた日本
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昨年の冬、テレビを見ていたら、
「子どもがなりたい職業ランキング」が目に飛び込んできました。

1位はユーチューバー。10位までにアニメーターやお医者さん、学校の先生
といった職業が並び、パティシエ/パティシエールも入っていました。

パティシエが目にとまった時、私は「あれ?」と思いました。

何故か意外に思えたその職業…
(そういえば、私も子どものときはケーキ屋さんなんて書いたかも)。

やがて私は違和感の正体に気が付きました。
「ああ、これだけがモノをつくる仕事なんだ」と。

決まった手順で、決まったモノを生み出し、
人や社会に提供するモノづくりという仕事です。

他の職業は、エンタメやクリエイティブ、有名資格の職業が
並んでいたので、どうやら私の心に引っかかったようです。

日本の製造業は衰退した―なんてフレーズを目にすることがあります。

技術大国と呼ばれたのも過去のこと。
子どもも若者も、製造業に魅力を感じていない…。

日本の製造業は日本の産業構造を支える大黒柱的な存在です。

確かに、たとえば電話交換手のように、
技術の発展とともになくなる職種はあります。

しかし、モノづくりの担い手がいなくなる。
これはなかなか想像できないのではないでしょうか。

そんな製造業に子どもが夢を見ない。
夢を見なければ、なろうとも思わない。

これはちょっと由々しき事態のように思います。

そこで今回のメルマガでは、製造業に注目することにしました。

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┃製造業はブランディングに失敗した?
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どうして、製造業にあこがれを抱く子どもは、
少ない傾向にあるのでしょうか。

ある人はこう言います。
「ブランディングに失敗したからだ」と。

綺麗なオフィスで、きちっとしたスーツを着て、
PCを前に資料を作っている姿を、

多くの子どもや若者が「働く姿」として思い浮かべるのが
現在の日本ではないでしょうか。

今や働く姿としてホワイトカラーは、
子どもたちの常識に浸透してしまいました。

大人になって、キラキラした夢をかなえられなかったとしても、
その次に好んで選択しようとするのが、
ホワイトカラーであるように私は感じられます。

その一方、製造業は「3K(きつい、汚い、危険)」
というマイナスイメージを払拭できずにいます。

実際は、工場や仕事の内容によって異なります。

それに仕事をしていれば、恐らくどんな業界、職種も、
少なからず嫌なこと、辛いことはあるでしょう。

しかし、それを上回る喜びがあるから、
人は働き続けられるのだと思います。

現実にモノづくりに携わる人はたくさんいます。
ところが、こういった人たちが、
どういう訳か多くの子どもや若者の瞳に映りこまないようです。

ブランディングに失敗しているとは、そういうことだと思います
(学校教育も要因のひとつだと個人的には感じています)。

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┃製造業は人手不足である
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ところで、日本国内の製造業は、現在どのような状況なのでしょうか。

「2021年9月 製造業を巡る動向と今後の課題」(経産省)をもとに、
簡単に確認していきます。

経産省によると、製造業はGDP・就労人口ともに2割程度を占める、
重要な基幹産業としています。

売上高はコロナ禍により2020年前半において急速に悪化するものの、
その後は回復基調です。

ただ、コロナ禍以前の水準には戻っていません。

また、製造業の就業者数も2021年は前年度を下回る数値で
推移しましたが、有効求人数は2020年1月の水準に回復しました。

製造業はコロナ禍以前から、人手不足が課題です。
人手不足の理由は少子高齢化や人口減少による労働人口の減少にあります。

これの対応として、外国人労働者を雇い入れてきました。
しかし、それもコロナ禍により制限されている状況です。

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┃日本の産業は世界から行動変容を迫られている
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製造業が直面している課題は他にもあります。

新型コロナウイルス感染症の拡大にも負けないような、
サプライチェーンの強靭化。

カーボンニュートラルをはじめとした、環境への配慮。
DX推進。人権問題。SDGs…。

上記の課題は、製造業だけに限った話ではありません。

日本のあらゆる産業が、世界の水準にあわせて、
積極的な行動変容を迫られています。

当然、会社単位での行動変容は一朝一夕でできるものではありません。
プロジェクトを立ち上げて、強く推進する必要があるでしょう。

しかし、多くの製造業が中小企業である日本において、
人手不足で苦しむ中、それに対応しろと言うのは酷のように思えます。

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┃若者の力が製造業に必要である
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だからこそ、これまで以上に若者に製造業に来てもらう必要が
あるように思います。

子どものうちから、モノづくりの夢を抱いてもらうような
教育が必要だと思います。

先に挙げた課題にある環境問題やデジタル化といったものへの関心は、
令和の子どもや若者は当たり前のように持っています。

それに対応して当然、という価値観で成長し、社会へ出ていきます。

彼・彼女らを採用することは、
会社の成長戦略において必須であると言えます。

もちろん行政や産業界も製造業の魅力発信と、
人材確保と育成に力を入れています。

職業訓練を実施するポリテクセンターは、
「ものづくり女子」と銘打って女性求職者へのアピールを強めています。

ある会社では、人が定着するように人事制度を設けたり、
従来の徒弟制度ではなく階層別研修制度を実施している
ところがあります(もちろん徒弟制度がはまる会社さんも多いです。
ただ、それ以外の教育制度がはまる会社さんもあるということです)。

他に企業イメージの広告やInstagramの情報発信、
消費者向けの工場見学など、魅力発信の方法はさまざまです。

ただ、これらは、会社単位で行っているものがほとんどだと思います。

このままでは日本のモノづくりが本当に衰退してしまう―この危機意識を
製造業全体が、当事者として共有することが何より大事だと私は思います。

業界が一丸となり、行政や地域に働きかけを行い、
若者を呼び込む方策を一緒に練るべきではないでしょうか。

もう一度、モノづくりの日本ブランドを立て直す時期に来ているように
私は感じています。

 

労務管理事務所 フォージョウハーフ
労務コンサルタント 山之内
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「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
労務管理事務所フォージョウハーフ
【社会保険労務士】日比野大輔
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