Vol.180【新入社員の入社後ギャップ】

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川相いい仕事マガジン vol.180
発 行:川相商事株式会社
Kawai Shoji Group
『働くよろこびを見つけるヒト』創造企業 https://e4510.jp/
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川相マガジン   e4510情報 (いい仕事情報)
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近年、ゲリラ豪雨や線状降水帯・台風と、
昔と違い短時間で水害となるような激しい豪雨に
見舞われることが多くなりました。
大雨で電車が止まることも増えてきているように思います。

これから本格的な台風シーズンに入りますので、
気象情報や交通情報をいつでも確認できるアプリ等を活用し、
起こりうる障害を事前に把握し備え、意識することが予防となります。

安全を何よりも優先するようにしましょう。

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  「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
  労務管理事務所フォージョウハーフの日比野大輔がおくる
  社労士、日比野の現場紹介—☆★☆
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   新入社員の入社後ギャップ
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いつもメルマガをご愛読いただき、ありがとうございます。
労務管理事務所フォージョウハーフでコンサルティングをしています
日比野です。

7月になり、もう下半期ですね。
早いもので、社会人28年目の私にとっては、
時が経つのが本当に早いと感じます。
しかし、今年4月に新卒で入社した若手社員にとって、
この3ヶ月はどのように感じられたのでしょうか。
あっという間だったのか、それとも長く感じたのか。

新卒入社の社員のうち、約4割が入社前と入社後にギャップを感じるそうです。
良いギャップもありますが、どうやらマイナスのギャップの方が多いようです。
今回は、新卒社員の入社後ギャップについてお話しします。

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   仕事量と研修制度の不足
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新卒社員はどのようなギャップを感じているのでしょうか。

良い意味でギャップを感じる社員は20%いるようです。
しかし、やはりマイナスのギャップを感じる社員の方が多いようです。

マイナスのギャップとして挙げられるのは、

  • 思っていたよりも業務量が多い(40%)
  • 研修が不足している(40%)

業務量が多いと感じるのは、若いうちに苦労させるべきだという親心で、
少し無理目の業務を与えているケースもあるでしょう。

しかし、中堅からベンチャー企業では、以下のような状況がよく見られます。
新卒社員を銀行や商工会議所が主催する合同新人研修に2〜3日参加させた後、
すぐに配属し、OJTとは名ばかりで実際の業務において即戦力として
使われるパターンです。
教える側がOJTのやり方を専門に学んだこともなく、
学習効果がマイナスになることが多いのです。
育成担当社員が業務を抱えすぎて教える余裕もスキルもないという状況も
よく見られます。

その結果として、

  • 思っていたよりも業務量が多い(40%)
  • 研修が不足している(40%)

というアンケート結果になるのでしょう。
このような状況の会社が約4割存在し、
5年も経てばその半分以上が退職や転職してしまうケースがよく見られます。

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   一流職人、一流エンジニア、神対応社員を育てる会社の新人育成
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新卒社員を10年で一流の職人やエンジニアに育てる会社があります。
そうした企業の新人育成には特徴があります。

入社後すぐにマルチタスクではなく、
シングルタスクで徹底的に完璧に仕事をやり遂げることを教えるのです。
仕事の速さよりも、手を抜かず丁寧に仕上げることを習慣にさせます。
育成担当者は、入社1年目に手を抜いて
適当に仕事をこなすやり方を覚えてしまうと、
その後修正が効かないと考えています。

たとえば、大工職人であれば手抜き癖がついたまま家を建てると、
見た目は完成していても目に見えないところで手抜きがあり、
後々問題が起こります。
システムエンジニアやプログラマーでも同じで、
適当なプログラムが混ざっていると、
後からの修正やバグ探しが一からの開発よりも手間がかかります。

だからこそ、焦らず一つずつ丁寧に仕事をやり遂げるよう指導するのです。
早い人は3ヶ月、遅い人は1年かかるかもしれませんが、
いずれはできるようになります。
しかし、手抜き癖のある中堅社員を再教育するのは難しいのです。

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   エンゲージメント・愛社精神の高い会社の新人育成
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エンゲージメントや愛社精神を育むのが上手な会社があります。
そうした会社の新人育成について紹介します。

まず、特徴として業務量が少ないことが挙げられます。
新人が「少ない」と感じるレベルに業務量が少ないのです。
そして、採用から実際に配属されるまでの期間が6ヶ月から
1年と長い会社もあります。
この間、各部署を周り、体験していくのです。
ここでは仕事を教えるというよりも、社会見学のような職場体験に近いです。

この研修の目的は、会社にはどのような業務があり、
どのような人がいるのかを知ることです。
このような研修を受けると、新人は業務量が少なくてもモチベーションが高いため、
自ら「何かお手伝いしましょうか?」と
仕事を探して手伝おうとする姿勢が出てきます。
そうすると、既存社員との間で良好なコミュニケーションが取られ、
社内での人間関係も構築され、自然と愛社精神も高まっていくのです。

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   転職の大きなデメリット
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残った社員と転職した社員の間にはどのような差があるでしょうか。
生涯収入にどれくらい差があるか、それを示す統計資料はありませんが、
類推する統計データがあります。

300人以上の会社の平均月給は約45万円、逆に30人未満の会社では25万円です。
これは大企業と中小企業の差のようにも思えますが、
転職回数の差とも言えます。
中小企業でも新卒から20年働けば月給は40万円に近づき、
40年働けば経営幹部近くになって50万円近いこともあるでしょう。

そして、300人以上の会社の社員の多くは新卒採用か、
転職組でも1回程度の転職です。

現在、インターネット上には入社後ギャップを感じる
若手に甘い言葉で転職を促す情報が溢れています。
しかし、そのリスクは語られていません。
30年前、とらばーゆやフリーターなど、
自由に働くことがかっこいいとされたブームがありました。
それに乗った彼らは今50代。
自殺を含む孤独死する40〜50代の人数は年間5万人前後で推移しています。
これは30年前の転職ブームの影の部分です。

新卒社員を受け入れる側も、新卒社員自身も、転職や退職を考える前に、
少し将来のことを冷静に考えてみるべきです。

新卒社員の気持ちが落ち着いてくる今、
そのようなことを考えてみたいところです。

労務管理事務所 フォージョウハーフ
労務コンサルタント 日比野

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 「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
 労務管理事務所フォージョウハーフ
 【社会保険労務士】日比野大輔
 【URL】http://www.4jh.jp/
 【E-Mail】support@4jh.jp
 【電 話】06-6945-5550
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