Vol.188【生産性向上と賃金の関係】

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川相いい仕事マガジン vol.188
発 行:川相商事株式会社
Kawai Shoji Group
『働くよろこびを見つけるヒト』創造企業 https://e4510.jp/
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川相マガジン   e4510情報 (いい仕事情報)
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川相商事株式会社は、経済産業省より
「健康経営優良法人2025(中小規模法人部門)」の認定を受けました。

健康経営優良法人認定制度とは、
地域の健康課題に即した取組や日本健康会議が進める健康増進の取組をもとに、
特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度で、
当社は昨年に続き4度目の認定となります。

健康経営優良法人認定制度について
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenkoukeiei_yuryouhouzin.html

今後も健康経営の取り組みを継続して、従業員の健康維持・増進に努めてまいります。

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  「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
  労務管理事務所フォージョウハーフの日比野大輔がおくる
  社労士、日比野の現場紹介—☆★☆
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  生産性向上と賃金の関係
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いつもメルマガをご愛読いただきありがとうございます。
労務管理事務所フォージョウハーフでコンサルティングをしています岸田と申します。

初任給を大幅にあげていく大企業、上昇する最低賃金。
固定費で大部分を占める人件費。その相談は尽きません。

「最低賃金 全国平均1,500円」も、数年後には実現しそうです。

さて、どうしましょうか。何か良い手立てはないのか。
今回は、生産性向上と賃金について原稿をすすめてみます。
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  生産性とは?
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賃上げするには、利益の向上が必要になります。
利益を生みだすには売上の拡大も重要です。
が、それ以上に「生産性向上」が鍵となります。

生産性とは、「インプットに対するアウトプット」 で測られます。
要は、費用等効果。「コスパ」が良いかどうか。
無理なく賃金をあげるには、限られたリソースで、より多くの成果を生み出すこと。
それが必要になります。

たとえば、製造業でおなじ商品を販売するA社とB社があるとします。
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【A社】
業務プロセスを見直し、3人でできる仕事を2人でおこないました。
従業員1人あたり生産性は“1.5倍”にあがりました。そして、浮いた一人は営業に回りました。
結果、利益が増えて、従業員の賃金を引き上げました。

【B社】
従来どおりの業務フローのまま、製造部門で活躍できない社員を間接部門に異動させます。
製造部門の欠員を1人採用しました。
結果、人件費は向上し、利益は減少。
生産性が向上せず(むしろ減少し)、賃上げの余裕がありませんでした。

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このように、生産性を高めることで企業の利益が拡大し、賃上げが可能になります。
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  日本の生産性の現状と課題
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では、日本の生産性は世界的にみてどうでしょうか。

OECD(経済協力開発機構)のデータでは、
日本の労働生産性は38ヶ国中29位に位置しています。

例えば、アメリカを100とすると、日本は55で、
ドイツやフランスと比べても25〜30低い値です。

また、一人あたり労働生産性は38ヶ国中32位に位置しています。
これは主要先進7ヵ国で最も低い数字です。

この背景に、非効率な業務プロセスが要因の一つであるといわれます。
ここを克服しない限り、生産性向上は難しいのではないでしょうか。

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  どうすれば生産性を向上できるのか?
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一方、日本の製造業は比較的生産性が高い傾向にあります。
製造業の労働生産性はOECDに諸国の34ヶ国中17位です。
(25年前は1位でした)

その理由の一つが、
IE(インダストリアル・エンジニアリング)や
VE(バリュー・エンジニアリング)、JM(ジョブ・メソッド)の手法が進んでいると考えられます。

IE(インダストリアル・エンジニアリング)とは?
IEとは、作業方法の改善により生産性を向上させる手法です。
例えば、
・ムダな動作を排除することで業務を効率化
・作業の標準化によりミスを削減
・レイアウトを工夫し移動時間を短縮
こうした細かい積み重ねが、生産性向上につながるという考え方です。

VE(バリュー・エンジニアリング)とは?
VEは、価値を最大化するための手法 で、
・コストを抑えながら品質を向上させる
・製品やサービスの本質的な価値を見直し、ムダな機能を削減する
といった考え方に基づいています。

これらは製造業だけではなく
サービス業やオフィス業務にも応用できるモノです。

例えば、
会議の効率化:議題を明確にし、必要性に応じ、議題を整理する
電話:ヘッドセットを使用し、両手を使えるようにする
PCデータの共有_管理:可視化・見える化し、ダブりをなくす
といった形で、生産性向上はどの業界でも実現可能です。

弊所の顧問先で貿易業務を行う30人程の企業があります
そこではIE,VEを駆使して「時間当たり採算」を毎月追いかけ、
生産性を向上させた結果、平均給与が100万円上昇しました。
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  まとめ
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賃金の上昇が求められるなか、持続的な賃上げには、
意識して生産性向上に取り組むことが欠かせないでしょう。

そのために、IEやVEを活用した日々の無駄の削減は、とても有用な手立てに思えます。

これらは一朝一夕で実現しません。
しかし、 地道な改善を積み重ねで、かならず達成します。

このあたりが、生産性向上が解決の糸口になるのではないでしょうか。

また、生産性向上には、一般的に「自動化・システム化」が重要だといわれます。
しかし、安易な設備導入で失敗するケースを多く見聞きします。

《作業改善なき設備改善は事態を悪化させる》という言葉があります。

これはシステムを導入してしまうと改善ができないため、
逆に生産性を下げることがあるという意味です。

設備導入については、つぎの機会にお伝えさせてください。

労務管理事務所 フォージョウハーフ
労務コンサルタント 岸田 飛生
         
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 「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
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