Vol.190【備蓄米】

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川相いい仕事マガジン vol.190
発 行:川相商事株式会社
Kawai Shoji Group
『働くよろこびを見つけるヒト』創造企業 https://e4510.jp/
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川相マガジン   e4510情報 (いい仕事情報)
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当社は、法定福利厚生だけでなく、法定外福利厚生を充実させる事も
従業員とその家族にとって重要な支援だと考えています。

健康診断はもちろんのこと、社内研修、資格取得支援、社員旅行、社内イベントなど、
健康促進やスキルアップ・交流などを目的とした活動を定期的に行っております。

近年の就職活動では、企業の法定外福利厚生を重視する学生も多くいるようです。

当社のHPでも、川相商事の活動報告を掲載しておりますので、ぜひご覧ください。

引き続き、川相商事株式会社をどうぞよろしくお願いいたします。
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  労務管理事務所フォージョウハーフの日比野大輔がおくる
  社労士、日比野の現場紹介—☆★☆
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  何かと話題の備蓄米について
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いつもメルマガをご愛読いただきありがとうございます。
労務管理事務所フォージョウハーフの日比野です。

今回は、昨今何かと話題になっている「備蓄米」について考えてみたいと思います。
現在、米の価格が非常に高騰し、「米不足だ」と言われることが多くなっています。
その原因についてはさまざまな説がありますが、はっきりとしない部分も多いのが現状です。

ただ一つ言えるのは、昨年、実際に米が不足する事態が起こりました。
それを受けて、「米によって利益を得られる」と考えた誰かが、
どこかで大量に米をストックしている可能性も否定できません。

世界的にも、水やトウモロコシといった生活必需品がビジネスの対象となっています。
需要と供給のバランスが崩れたところに市場が生まれ、
それがビジネスチャンスとなる―そんな市場原理が今回も働いているのではないでしょうか。

こうした経済活動に、道徳的な観念が欠けているのではないかという批判もあります。
皆が譲り合いの精神をもって市場を運営していく、
その姿勢が今こそ求められているのではないでしょうか。
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  江戸時代の備蓄米
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さて、今回は「江戸時代の備蓄米」についても考えてみたいと思います。
江戸時代は、災害の多い時代でした。
特に江戸の町では、3年に1度は大きな火事があったとも言われています。
しかし江戸の人々は、「江戸の名物は喧嘩、火事、花火」と冗談めかして語るように、
火事をどこか生活の一部として捉えており、過度に悲惨なものとは思っていなかったようです。
その背景には、災害で家を失っても、
翌日にはすぐに米や味噌汁の配給が行われていたことがあるのかもしれません。
現代では、地震などが起こるたびに食料不足が問題になりますが、
江戸では災害発生の翌日にはおにぎりや味噌汁が配られていたという記録もあります。

こうした支援がなぜ可能だったのでしょうか。

それは政府の施策ではなく、住民たちが自主的に米を備蓄していたからです。

そのための施設が「蔵」でした。
たとえば、私の近所には「高津神社」という神社があります。
この神社は戦争で焼失し、戦後に再建されたのですが、
境内にある蔵だけは戦前からの建物だと言われています。
この蔵は土壁でできており、火事に強く、防火壁の役割も果たしました。

その蔵には、地域住民の命を支える米や味噌、そして神社の御神輿など、
地域にとって大切なものが保管されていたのです。
まさに、防火金庫のような、災害時のシェルターとしての役割を担っていたわけです。
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  南海トラフに備えて
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江戸時代は、「儒学思想」が広く普及していた時代でした。
この思想を身につけたビジネスマンは「儒商」と呼ばれ、
「世の中を良くするのは政治家ではなく私たちだ」という誇りを持っていたと言われています。
そのため商人たちは、自らの利益のためだけでなく、地域住民のために備蓄米を蓄える蔵を作りました。

そして、その蔵は、尊敬される職人である左官屋が丹念に築いたものです。
とはいえ、なかには米を買い占め、私利私欲に走った商人もいました。
そうした者たちは、庶民によって「打ち壊し」と呼ばれる制裁を受け、
蔵を破壊されることもあったと伝えられています。

このような話を聞くと、悪徳な商人が多かったように思えるかもしれませんが、
実際には多くの商人たちが、地域のために自らの資材を投じて蔵を作り、
災害時には米や味噌を配給していたのです。

さらに、家そのものも無料で建てられる仕組みがあったと言われています。
町には「貯木池」と呼ばれる、
木材を蓄えておく場所があり、火事で家を失った際には、
地域の住民が協力して1ヶ月ほどで家を再建するという助け合いの風土があったのです。
現在、南海トラフ地震のような大規模災害が懸念されています。
どれだけ文明が進んでも、自然災害の前では人間は無力です。
しかし、日本人の助け合う姿勢は、世界から高く評価されています。
それは、江戸時代から連綿と続く文化的ルーツがあるからではないでしょうか。

備蓄米の問題を通して、
私たちはもう一度、災害への備えと道徳心のあり方について
見直してみる必要があるーそんなふうに感じています。


労務管理事務所 フォージョウハーフ
労務コンサルタント 日比野大輔
         
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