Vol.191【熱中症予防対策の義務化】
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川相いい仕事マガジン vol.191
発 行:川相商事株式会社
Kawai Shoji Group
『働くよろこびを見つけるヒト』創造企業 https://e4510.jp/
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川相マガジン e4510情報 (いい仕事情報)
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川相商事株式会社では、製造業で人材不足、職場定着/戦力化にお困りの企業様へ
「外国人採用サービス」をご提供しております。
少子化、労働人口減少がつづく日本の製造業分野では人材をいかに確保し、
戦力化できるかが喫緊の課題といえます。
この課題を解決する一法が外国人労働者の採用・育成であると考えます。
川相商事株式会社では長年にわたり技能実習生・特定技能外国人を受け入れ、
適切な支援と人材育成により、現場の戦力として欠かすことのできない存在となっております。
このノウハウを活かし、当社が外国人材の採用に向けたサポートを行うほか、
出入国在留管理庁より認可を受けた「登録支援機関」として、
特定技能外国人が安定かつ円滑に就業するために必要な支援を実施いたします。
くわしくはこちらから
https://www.kawai-g.com/service/foreignersaiyo/
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「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
労務管理事務所フォージョウハーフの日比野大輔がおくる
社労士、日比野の現場紹介—☆★☆
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温故知新の熱中症対策で、職場の安全をまもろう!
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いつもメルマガをご愛読いただき、どうもありがとうございます。
労務管理事務所フォージョウハーフで
コンサルティングをしています酒井と申します。
いよいよ夏本番。
急激な気温上昇、体調管理に気を配られている方も多いのではないでしょうか。
そんな中、今年(2025年)6月1日より、
企業に対し、職場での熱中症対策が義務化されました。
急な制度改正に驚いた方も多いかもしれませんが、
実はこれ、近年急増している熱中症による死亡事故への対策なのです。
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なぜ、こんなにも熱中症が増えたのか?
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その背景には、単なる気温の上昇だけでなく、現代社会特有の要因が絡んでいます。
地球温暖化により35℃以上の”猛暑日”が全国的に倍増、
都市部ではヒートアイランド現象により夜間でも気温が下がりにくく、
体が休まらないまま翌日を迎えることが常態化しています。
加えて、エアコンに頼りがちな生活様式のため、
人間の体が”暑さに慣れる力”(暑熱順化)を失いつつあるのです。
加齢に伴う体温調節機能の低下、異変に気づきにくい単独作業の増加。
また、一方では、外国人技能実習生や若年労働者が増加し、
熱環境への不慣れがあります。
さまざまな要因が重なり、“見えないリスク”が増えている現状です。
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『麦茶事件』に学ぶ、現場の知恵と勘どころ
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ある中堅鋳物会社の二代目社長が、
現場の職人さんたちに冷えた麦茶を差し入れたところ、
大激怒されてしまったというエピソードがあります。
「殺す気か!」と、麦茶を投げ返されたそうです。
初夏、汗腺がまだ暑さに慣れていないこの時期、
職人たちは”塩分の濃い汗”をかきます。
そのため、塩分をしっかり補給する必要があるのです。
実際、職人たちは塩をなめながら作業を続け、
飲み物もスポーツドリンクなどでミネラルを補給するのが鉄則。
現場に根付いた知恵を知らず、善意が裏目に出た典型的な例ですが、
ここから学べるのは、
「現場の熟練者の知恵を共有することの大切さ」といえるかもしれません。
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昔の職場に学ぶ「涼の知恵」あれこれ
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日本には、昔から高温環境での職業がありました。
鋳物、鍛冶、農業、漁業などです。
そんな中、職人たちはさまざまな工夫で暑さに立ち向かっていました。
・塩分補給の知恵:
「梅干し入りのおにぎり」や「塩ようかん」「塩飴」は、手軽にミネラルを補えるアイテムでした。
特に「塩ようかん」は、水分がなくても持ち運びやすく、作業中でも口にしやすい工夫がされています。
・体の冷却:
「打ち水」や「濡らした手ぬぐいを首に巻く」など、気化熱を利用した自然な涼法。
竹や葦を使った「簾(すだれ)」や「よしず」も、見た目の涼しさと機能性を兼ね備えています。
・食の工夫:
「麦茶」「番茶」「甘酒」など、体にやさしい飲み物が日常的に活用されていました。
甘酒は特に、ブドウ糖やビタミンB群を豊富に含み、夏の栄養ドリンクとして重宝されました。
・住まいと動線:
「風鈴」「木陰」「風の通り道を意識した建築」など、
五感を使って涼しさを感じる設計も、立派な暑さ対策です。
建物だけでなく、作業場の配置や動線設計にまでその工夫は及びました。
・労働リズム:
中でも特筆すべきは、「働く時間帯の工夫」です。
昔の農家や職人たちは、早朝や夕方に作業を集中させ、
日中の最も暑い時間帯には「日陰で昼寝」や「井戸水で顔を冷やす」といった休息を重視しました。
このリズムは、単に体を休めるためではなく、命を守るための生活の知恵だったのです。
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現代の現場に取り入れたい「職人ルール」
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現代でも、昔ながらの知恵を見直すことで、
熱中症対策はもっと身近に、そして楽しく実践できます。
・湿度管理:
「打ち水」やビニールシートでの湿気除去は、今でも有効な手段です。
また、風通しの悪い場所では扇風機や除湿機を活用して湿度をコントロールすることが大切です。
・交代制・巡回強化:
連続作業を避けるだけでなく、同僚同士が体調の変化に気づけるよう、
作業中のこまめな声かけや見守りを励行しましょう。
「異変に気づく目」を現場全体で持つことが安全につながります。
・携帯食の導入:
塩羊羹や個包装の梅干しなど、気軽に補給できる工夫を。
現場に常備しておくことで、いつでもすぐにエネルギー補給が可能になります。
・「休む」ことのルール化:
「昼寝」や「水分補給時間」を職場ルールに組み込むだけで、命を守れます。
特に高温多湿の時間帯には、「強制的に休憩をとる」ことも選択肢の一つです。
・働くリズムの再設計:
早朝と夕方に作業を集中し、暑さのピーク時間は思い切って作業を避ける。
その代わり、スケジュール全体を柔軟に見直すことで、労働の質と安全性を高めることができます。
特に外国人や若年労働者が多い現場では、
日本ならではの暑さ対策文化を伝える仕組みも求められています。
ベテラン職人との座談会や、昔の道具・食の展示など、
「知恵の共有」は、社内コミュニケーションの活性化にもつながるでしょう。
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安全は、楽しさと共に
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夏の暑さと上手に付き合うコツは、「無理をしないこと」「仲間と助け合うこと」。
そして、なにより「楽しみながら続けられる工夫」にあります。
昔の人々が伝えてくれた数々の知恵は、単なる過去の遺産ではなく、
現代の私たちにも十分役立つヒントです。
いまこそ、温故知新の心で、現場の安全を守っていきましょう!
労務管理事務所 フォージョウハーフ
労務コンサルタント 酒井
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「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
労務管理事務所フォージョウハーフ
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