Vol.195【金相場とリスク】
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川相いい仕事マガジン vol.195
発 行:川相商事株式会社
Kawai Shoji Group
『働くよろこびを見つけるヒト』創造企業 https://e4510.jp/
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川相マガジン e4510情報 (いい仕事情報)
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2025年も終盤に入り、夏場の気温が40度を越えていた事が、嘘のような毎日です。
川相商事では今年から、新たにオンライン学習サービスを導入しています。
以前の集合研修とは違い、サポートが必要な場面もありますが、続けることで学びが定着し、
次のステップにつながるとともに、チーム全体のスキルも向上しています。
皆で一つの方向に進む。それが川相商事です。
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「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
労務管理事務所フォージョウハーフの日比野大輔がおくる
社労士、日比野の現場紹介—☆★☆
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リスクの備えには「金」と「◉◉◉」?
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世界の金相場は2025年に入り急騰し、10月には1オンス=4,100ドルを突破しました。
日本でも「1グラム=2万円超」という過去最高水準に達し、
円建てでは前年比およそ5割の上昇です。
金が“最後の安全資産”として注目を集めています。
この背景には、人々が「安全資産をもちたい」とおもう不安とリスクがあります。
それは、第一に、通貨の価値が揺らぐインフレや円安でしょう。
第二に、戦争や国際摩擦などの地政学的リスク。
第三に、各国で債務が膨張し、金融機関への信頼が揺らぐ金融システムの不安です。
これらの不安が、「何か確かなものを持ちたい」という欲求を強めているのだと思われます。
しかし、企業として対策は「金」だけでは、あまりに不十分です。
たとえば地政学上のリスクなどは、顕在化したら、
売上がゼロ、そのような期間が年単位で続くようなこともあり得ます。
それをしのいでいける十分な内部留保をもつ企業などそうはありません。
では、今、何をすれば良いのか?
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100年企業は「◯◯」を蓄える?!
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日本には創業100年を超える老舗企業がおよそ45000社あります。
世界の100年企業の半数以上です。100年企業は、第2次世界大戦でも潰れなかった企業です。
さらには、関東大震災をはじめ、街が消滅してしまうような自然災害を経験しています。
それでも倒れなかったわけです。
100年企業には、金を蓄えている企業もあるでしょうが、そんな話はあまり耳にしない。
しかし、多くの老舗企業は、有事を乗り込える教訓、戒め、行動基準をもっています。
それをすこし紹介してみようと思います。
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既存顧客との関係を強くする
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100年企業は、「信頼」関係を何よりも重要視します。
この信頼がすべての物事を進めていく源泉だと考えます。
まず既存顧客に対する信頼を何よりも大切にします。
たとえば、私の住む大阪では今年、万博景気に沸きました。
土日になれば、繁華街の飲食店は席を確保することが難しいこともありました。
それに応じ、価格も上がりました。
しかし、老舗とよばれるお店は、なぜか行列ができていません。
何なら、万博中の方が空いていました。
そして、なんと価格も変わりませんでした。
それは、いつも来店してくれる常連客に配慮であったと思われます。
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取引先・仕入れ先を大切にする
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100年企業は、不況時になると、お金を使おうとします。
例えば、仕入れに際し、必要な量以上に、仕入れようとします。
困ったときはお互いさまと言いながら、取引先の経営が逼迫しないようにするのです。
また、何かを購入するときも、インターネットで購入した方が安い場合でも、
少しくらいの高さであれば、旧知の取引先、地元から仕入れようとします。
とても不思議なことですが、現代のデジタル決済が当たり前の時代に、
現金支払いにこだわる老舗企業は多いのです。
どこも資金繰りには頭を悩ませます。
そんな際、現金でその場で支払ってくれたら助かるからです。
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社員の給与は、能力ではなく、「◯◯」で決める。
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とても不可思議なことがあります。
給与を能力や成果ではなく、社員の生活で決めることが多いのです。
わかりやすく言えば、能力が高いから、成果を出したから◯◯◯◯円とするのではなく、
家族が◯◯人いるから、食べ盛りの子供がいるから、◯◯◯◯円にする。
そんな給与の決め方をしているのです。
もちろん、能力や成果も考慮します。
しかし、それより先に生活や家族のことを考え、給与額を決定します。
そして、驚いたことに社員は、その給与額に見合った働き、
アウトプットをすると考えているところがあるのです。
こうなると、社員は、会社のことを、自分の家族の暮らしと一体のモノという認識ができてきます。
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なぜ、焼け野原になっても倒産しなかったのか?
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敗戦で倒産しなかったのは、そもそも倒産という考えがなかったといっても良いと思います。
100年企業は共同体と呼ばれる組織で、いわゆる大家族主義で経営されていることが多いのです。
共同体は、その組織の維持が組織の目的となり、組織が存続するために必要に応じて種々の活動を行います。
家族であれば、家族が食べていくため、お父さんは職を探し、職を変え、足りなければ他の家族も職や食を得ようとします。
困った状況になれば、それぞれが家族を維持するために、行動を始めます。
しかし、企業の構成員は本当の家族ではありません。
その交流によって擬似家族のようになったコミュニティです。
ですが、組織が困難な状況になれば、相互扶助が行われるように、
家族のような関係を維持するための活動、施策が行われていくのです。
コロンブスの卵のような話ですが、人は一人では生きてはいけませんが、仲間がいれば生きていけます。
人間は、お金、経済、産業がない時代にも生きてきたわけです。
でも、一人では生きてはいけない。でも、信頼できる仲間と共に、何とかしてきたのです。
100年企業は、実は、普段の経営基準のなかに、
その信頼を強くする習慣的なアクションをもっている企業だったりするのです。
このような時代だからこそ、自分たちにとって大切なモノは何かを考えたいところです。
少しお知らせをさせてください。
私、日比野大輔が、この度、日本実業出版より書籍を出版いたしました。
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労務管理事務所 フォージョウハーフ
人事労務コンサルタント 日比野 大輔 Hibino Daisuke
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「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
労務管理事務所フォージョウハーフ
【社会保険労務士】日比野大輔
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