Vol.6【時間外労働・割増賃金の法改正へ対応】

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  川相いい仕事マガジン vol.6
   発 行:川相商事株式会社
   Kawai Syouji Group
   『働くよろこびを見つけるヒト』創造企業 http://www.e4510.jp/
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  労務管理事務所フォージョウハーフの日比野大輔がおくる
  労務対策シリーズ—☆★☆
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    時間外労働・割増賃金の法改正へ対応
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先々月号から、来年4月割増賃金の労働基準法改正の概要とその対策について書いてきました。

先々月号はコチラ

今回は、法律的な側面から割増賃金について考えてみたいと思います。

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┃来年は未払賃金が大きな問題
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来年以降、未払いの割増賃金の支払を余儀なくされる企業が増えそうです。
もう少し具体的に言えば、労働者が使用者に対して、サービス残業の割増賃金を
請求するケースが増えるのではと言われています。

その理由は厚労省が、こちらを来年度、「名ばかり管理職」を重点的に取り締まる方向を打ち出していること、

「借金の過払い請求」「過払い金の返還」に従事する弁護士や司法書士が、
サービス残業の支払い請求という案件に流れ込んでくると言われています。

今年から来年に向け、「時間外労働」について、あらためて考える必要があるのではと思います。

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┃まずは、何がサービス残業なのかを知る。
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誤解を恐れず言えば、サービス残業に関しては、「叩けども全く埃がでない」企業は、
皆無に近いと思われます。

これまでは、終身雇用を前提として、労使が強い信頼関係で結ばれていましたから、
そのあたりは、「瑣末なこと」として、問題となってきませんでした。

しかし、一昨年の労働契約法の成立、労働審判制度の施行等により、
労使問題は、「なあなあ」が許されず、法律的に厳密に判断されるようなってきています。

対策の第一歩は、企業が、労働時間の正しい法律知識を身につけていくことです。

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┃これは労働時間か否か?
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クイズ形式で、聞いてみたいと思います。次の時間は労働時間として取り扱われるでしょうか?

1,タイムカードに打刻された終業時間以降の2,3分の時間

2,定期健康診断を受診させた時間

3,管理職の指示を受けずに、社員の判断で行われている残業時間

4,終業時間後の小集団活動(QC)の時間

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┃答え
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1,タイムカードに打刻された終業時間以降の2,3分の時間

→労働時間となります。よく1日に30分未満の時間を切り捨てて計算している会社がありますが、
この切り捨ては、1ヶ月合計して30分未満を切り捨てて良いのであって、
1日ごとに切り捨てるのは、違法とされます。
(現業職の場合にこちらは厳密に適用される傾向にあります)

2,定期健康診断を受診させた時間

→労働時間とはなりません。行政は、出来るだけ労働時間とすることが望ましいとしています。
ただし、危険作業等を行う者に対する特殊健康診断については、労働時間と考えられます。

3,管理職の指示を受けず社員の判断で行われている残業時間

→ケースに選りますが、労働基準監督官の取締では、労働時間と判断されるケースがほとんどです。
ただし、残業の申告制の運用等によっては、労働時間ではないと判断されることもあります。
確実なのは、何ら特別な労務管理をしていない場合には、労働時間と判断されます。

4,小集団活動(QC)の時間

→「社員がやらざる得ない」状況になっていると判断されれば、労働時間と判断されます。
昨年、トヨタのQCが労働時間であるとの判断が下されましたから、今後、労働基準監督署により、
指摘されるケースが増えてくると思われます。

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┃社員が納得して働くために
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次号以降ももう少し、労働時間についての正しい法知識を深めていきたいと思っています。

しかし、その前に、理解しておいて欲しいのは、法律上、労働時間と判断されるからといって、
それを何ら施策なく支払っては、中長期的に社員のモチベーションの低下を招くことになります。

ゆっくりと仕事をヤル人ほど、給与が高くなるわけですから、
誰も早く・効率的に仕事をしようとは思わなくなってしまいます。

会社・組織とは、皆で協力して稼いできた富を、皆が一番納得する形で分配する装置だと言われます。

もし、労働基準法の定めに何ら独自の施策なく、割増賃金を支払えば、
企業の本来的な意義が失われることになります。
労働時間・割増賃金の取り組みと共に、その意義についても一緒に考えていきたいものです。

 

   労務管理事務所 フォージョウハーフ
   人事労務コンサルタント 日比野 大輔  Hibino Daisuke
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