Vol.142【2021年新卒採用の振りかえり】
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川相いい仕事マガジン vol.142
発 行:川相商事株式会社
Kawai Syouji Group
『働くよろこびを見つけるヒト』創造企業 https://e4510.jp/
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川相マガジン e4510情報 (いい仕事情報)
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昨年から始まったコロナ感染防止対策。
個々の対策、各会社での対策と非常に困難な状況でした。
今年は昨年と違い手さぐり的な対応が今は予防効果が
上がる形が見えてきました。
こんな困難な状況だからこそいろんなものが一気に進化発展普及する
ことを目の当たりにする稀な機会でもありました。
特にリモートによる商談、面接等の普及スピードには
目を見張るものがあります。
当社で使っているリモートシステムだけでなく各企業様で採用している
システムといろんな種類があり都度学習し吸収しております。
当社では、新しいものに臆することなく突き進み
皆様とともに発展してまいりたいと思います。
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「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
労務管理事務所フォージョウハーフの日比野大輔がおくる
社労士、日比野の現場紹介—☆★☆
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2021年新卒採用の振りかえり
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いつもメルマガをご愛読いただき、
どうもありがとうございます。
労務管理事務所フォージョウハーフで
コンサルティングをしています山之内と申します。
2021年4月現在、私は大阪にて、阪急電車で通勤していますが、
初々しいスーツ姿の若者をあちこちで見かけます。
日本がコロナ禍に見舞われて、2回目の春を迎えました。
すっかりマスク姿が定着する中、新卒の社会人の印象は
何ら変わらないことに、どこかほっとした気持ちになります。
さて、今回は今年の新卒採用の状況を振り返ってみようと思います。
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┃新卒採用の状況
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2021年において新卒を採用した事業所は、昨年と比較すると
減少したという調査結果があります。
厚生労働省が発表した労働経済動向調査(2021年2月)によると、
2021年新規学卒者の「採用計画・採用予定がある」と回答した事業所は、
すべての学歴において、前年同期と比較して減少していました。
具体的には、大卒・文科系37%(前年比8ポイント減)、
大卒理系39%(前年比9ポイント減)、
高卒40%(前年比8ポイント減)と、前年同期を下回りました。
高専・短大卒、大学院卒、専修学校卒も同様です。
ちなみに学校を対象とした、厚労省と文科省による
2021年3月大学等卒業予定者の就職内定状況の共同調査もあります。
こちらもすべての学歴において、前年同期と比べ内定率は下回りましたが、
大卒89.5%(前年比2.8ポイント)と、事業所対象の調査と
比較すると下げ幅は大きくありません。
これらの調査はすべての事業所、学校を対象としたものではありません。
業種や大企業と中小企業、地域と、どこに注目するかによって、
新卒採用の実情は異なるでしょう。
あくまでも一部分の調査結果を見ての推察とはなりますが、
新卒採用をしなかった企業が昨年より増加していたとはいえ、
新卒側は、希望の就職先だったかどうかは別として、
就職氷河期ほどの就職難ではなかったと考えて良いのかもしれません。
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┃ウェブを活用した新卒採用
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コロナ禍により急速にリモートワークが普及しましたが、
新卒採用でもウェブが活用されました。
経団連が発表した「2021年度入社対象新卒採用活動に関する
アンケート結果」(2021年9月15日)によると、
約9割の企業が「ウェブによる企業説明会等」を実施しています。
また、それにより「遠方の学生へのアプローチ」について、
約8割がプラスに影響したと回答しています。
就活は学生にとって移動にかかる費用負担が大きく、企業説明会に
参加するかどうかの時点で、学生側からの選択が始まっています。
しかし、コロナ禍により半ば強制的に実施せざるを得なかったウェブ上の
企業説明会は、距離の制約を受けず、さまざまな企業と出会える場を
学生に提供しました。
例年にない就職活動・採用活動は学生と企業双方に
不安をもたらしたでしょう。
その一方で、例年なら選択肢にあがらなかった遠方の企業、
学生へのアプローチを叶えた年にもなったのではと私は考えます。
企業によるウェブの活用は、企業説明会だけでなく、
面接でも見られました。
経団連による同調査では、約9割の企業がウェブ面接を実施し、
約6割の企業が最終面接を含めてウェブ面接を実施したと回答しています。
今後も新卒採用はウェブを前提とした動きが続くと思われます。
ウェブ面接を実施していることが、新卒による企業選択の
ポイントになるかもしれません。
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┃新卒採用の見送り、抑制
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コロナ禍により厳しい経営環境に立たされている業界があります。
航空、旅行、外食、鉄道等、「Go To トラベル」や「Go To イート」の
キャンペーンが展開された業界は、国から特別な支援が必要なほどの状況に
陥ったということでしょう。
当然、新卒採用の体力はありません。
上記業界において例年学生に人気だった大手企業が軒並み新卒採用を
見送ったり、採用人数を減らしたりする動きが見られました。
既にJR九州は2022年新卒採用の見送りを発表しています。
過去、経団連会長や菅政権が「第二の就職氷河期世代を作らない」ことを
発信していますが、このまま新型コロナウイルス感染拡大がおさまらず、
雇用維持が難しくなれば、就職氷河期が再び訪れる未来が現実味を
帯びてしまうのではと私は危惧します。
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┃注目の業界
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苦境に立たされる業界がある一方、業績を伸ばしている業界があります。
リモートワークの急速な普及により、IT、通信関連の事業は
追い風を受けています。
また、コロナ禍以前から高い経済効果が期待され、コロナ禍による
悪影響も受けていない分野に「5G」があります。
総務省「電波制作2020懇談会 サービスWG モバイルサービスTF 第5回」
の配布資料によると、5Gの経済効果は農林水産業や
交通等11業種において、50兆を超えるという試算が出ています。
5Gの超高速・超低遅延は、たとえば遠隔地からの重機の操作、
医療現場における手術を可能にすると言われています。
まずは携帯事業において5Gの商用化がスタートしましたが、
5Gの恩恵を受ける業界は、今後注目株であることは間違いないでしょう。
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┃人手不足の業界も…
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コロナ禍により、これまでの売り手市場の様相は
変化しつつあると言えます。
しかし、その一方で、コロナ禍ゆえに人手不足に陥り、行政が
それを支援している業界もあります。
たとえば農業です。
農林水産業は「農業労働力確保緊急支援事業」を実施しており、
対象期間を令和3年3月末から6月末まで延長しています。
これは予定していた外国人の技能実習生等の受け入れが
できなくなったことによる人手不足です。
従来なら技能実習生等外国人を雇うことを前提とした人員計画が
組まれていました。
しかし、新型コロナ感染症の影響で、国内外の移動が制限されてしまい、
人手不足の状況も生まれているのです。
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┃最後に
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2021年も「売り手市場」とは言えない状況は続くと思われます。
しかし、買い手市場になるかというと、それも一概には
言えないのではないでしょうか。
業界単位で景気は異なりますし、働ければどこでもいいという意識を
今の新卒は持っているのか、という疑問が残ります。
キャリタス就活 2022 学生モニター調査結果(2020年12月発行)
によると、企業選びの際に「強くこだわる」と最も選択された項目が
「社風・人に強くこだわる」(57.2%)でした。
私もニュースの街頭インタビューで、新卒の方が「人間関係」を重視して
企業選びをしたと回答する姿を見ました。
ソーシャルディスタンスに代表される、物理的距離を遠ざけることが
「良い」価値観が醸成される中、心理的距離を近づけるための施策を
企業が持つことが大切であると私は考えます。
近年は飲みニケーションを忌避する新社会人が増えていると、
ニュースで見かけました。
お酒を飲むということばかりがフォーカスされ、「お互いを知る」
ための場であることが伝わってないように思います。
その一方、現代の若い人は良い意味で「素直」な方が多いと
私は感じています。
飲み会にせよ何にせよ、その目的と効果を説明すれば、
前向きに参加する人も増えるのでは…と私は想像します。
新卒は入社して最初の1年間で身につけた考え方が、その後の働き方、
ひいては生き方を決めると私は思います。
だから、新入社員研修はもちろん、ウェブを利用することも含めて、
定期的に研修を行うべきと考えます。
新卒がその3年後に立派な先輩社員になれるように、
意識の土台作りを会社として手伝ってあげることが、
コロナ禍の現代に求められているのではないでしょうか。
労務管理事務所 フォージョウハーフ
労務コンサルタント 山之内
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「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
労務管理事務所フォージョウハーフ
【社会保険労務士】日比野大輔
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【電 話】06-6945-5550
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