Vol.170【少子化対策】

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川相いい仕事マガジン vol.170
発 行:川相商事株式会社
Kawai Syouji Group
『働くよろこびを見つけるヒト』創造企業 https://e4510.jp/
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川相マガジン   e4510情報 (いい仕事情報)
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現在、弊社は健康経営はじめ、様々な働き方に対する取組を行っておりますが、
近年では、企業のあり方も問われる機会が多くなってきました。
ワークライフバランスという言葉をよく耳にしますが、
最近では、ウェルビーイング「肉体的・精神的・社会的に満たされた状態」という言葉も
耳にする機会が増えてきています。

今後は、キャリア、ソーシャル、フィナンシャル、フィジカル、コミュニティーに関連した
「ウェルビーイング経営」が有効な取組だと言われています。

弊社は、これからも働き方を考える企業であり続けます。

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  「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
  労務管理事務所フォージョウハーフの日比野大輔がおくる
  社労士、日比野の現場紹介—☆★☆
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異次元の少子化対策、少子化の原因はどこにあるのか?
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いつもメルマガをご愛読いただき、ありがとうございます。
労務管理事務所フォージョウハーフの日比野です。

2023年初頭に岸田首相が発表した「異次元の少子化対策」。
首相は少子化問題の深刻さを強調し、来年度、施行される予定の取り組みが発表されている。

この取り組みは、4つの主要な部分からなる:

  1. 経済的な援助の増加 2. 若者の収入の向上 3. 子育て家庭へのさらなるサポート 4.男女共同参画の促進と社会の意識の変革。

特に経済的な援助の部分では、児童手当の所得制限をなくし、高校卒業までの支給を継続し、
第三子以降の手当を3万円に増やす提案がされている。

24年度の取り組みとしては、「こども誰でも通園制度」の実施が目玉となっている。
保育所入所に際し、就労の要件などの制約なく誰でも0歳から5歳まで子を保育所に預けられると言うモノだ。

(その他具体的な取り組み予定)
https://kurashi.yahoo.co.jp/procedure/contents/childcare_support/?cpt_n=kurashi_edit&cpt_m=dd&cpt_s=ysearch&cpt_c=web

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少子化の本当の原因は何か?
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さて、この取り組み、異次元の効果はあるのか?そう簡単にいかなそうだ。
人口維持には出生率は最低でも2.0が必要だ。しかし、1975年出生率が2.0を下回り、
現在1.3強をウロウロしている。データの推移をみると、出生率2.0は夢の数字に思える。

そもそもこの少子化対策、子供を産まない原因が「経済的な問題」であることを前提としている。
それが本当の原因だろうか。

世界各国の人口増加の状況を見てみる。人口が増えている上位国を見てみる。

1位ーニジェール、シリア  3位ーシンガポール  4位ーカザフスタン、コンゴ民主共和国  6位ーチャド、アンゴラ、マリ、ソマリア 10位ーウガンダ、タンザニア
データをみれば、経済問題が少子化の原因だと分析する人はいないだろう。
一目瞭然、経済的に恵まれていない国で、子どもは多く生まれている。
ただ、このランキングのなかに、経済的に豊かな国が1つはいっている。
シンガポールだ。そして、もうひとつ、注目すべき国がある。インドだ。
インドはもうすぐGDPは日本を抜き世界3位になろうとしており、かつ、人口も増加している。

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シンガポール、インドではなぜ子供が増えるのは経済的に豊かだからか?
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この両国に共通する幸福感がある。
子供が生まれること、それを自分の両親が喜ぶことが、
経済的な豊かさよりも大切な幸せだという価値観をもっていることだ。
彼らは、親孝行を幸せだと考えている。

シンガポールを形成する華僑の人々は、古き良き儒学文化を受け継いでいる。
儒学では親孝行は義務ではなく、その行為自体を喜びだと考える。
また、ヒンズー教においても、親孝行や家族こそが幸せも源泉であるとされる。

日本も儒教系の文化をもっていた。
江戸中期より形成され戦前まではシンガポール人に近い感覚をもっていた。
親孝行や家族を大切にする価値観は、戦中、軍部により思想統制のなかで失われていく。
そこに、戦後、欧米型幸福感をもちこまれた。
欧米型の幸福感とは、「自己実現欲求」の充足が最高次の幸せだというものだ。(マズローの5段階欲求)
「自分らしくかっこいい自分になること。人の目を気にせず、自分らしく生きること」。
この幸福感は、往々にして出産や育児とはバッティングする。
儒学的な価値観から欧米的幸福感を受け入れた国の少子化が止まらない。
日本、そして韓国だ。

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解決策はどこにあるのか?
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人口が減っていく国の未来は明るくはない。これが発想の原点だ。
そうであるなら、必要な対策は、教育なのかもしれない。

この状況、私たち日本人は初めての経験ではない。
江戸中期、商業経済が広まりはじめたこの時期、
日本人の我執化が強くなっていた。要は「自分勝手、利己主義、経済第一主義」になり、
耕作地放棄が止まらなくなり、国体の維持が危ぶまれたことがあった。

幕府は教育改革に乗り出す、それが寛政の改革、「寛政異学の禁」と呼ばれるモノだ。
ここでは親孝行の重要さをあの手この手で伝えていく。
歴史家の磯田道史さんは、当時の日本人の宗教観を表現するなら「親孝行教」だという。

かくして、江戸の国民と社会生活は、世界史の奇跡と呼ばれるような発展を遂げていく。
(幕府の思惑とは違い、幕府は傾いていったが)。
江戸という街は、今のシンガポールによく似ている。

子供が生まれる喜び、それを喜ぶ自分の両親の喜び、笑顔の家族、
それが何よりの幸せだ。
そんな価値観をどう共有していくか?

労務管理事務所 フォージョウハーフ
労務コンサルタント 日比野

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 「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
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 【社会保険労務士】日比野大輔
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