Vol.53【「無断欠勤者への対応」について】

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  川相いい仕事マガジン vol.53
   発 行:川相商事株式会社
   Kawai Syouji Group
   『働くよろこびを見つけるヒト』創造企業 http://www.e4510.jp/
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【知って得する雑学クイズ!】の答えは一番下↓↓

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    A君がいきなり無断で会社に来なくなった?
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先日、某企業の担当者から

「今年の〇月に入社したA君ですが、先日から無断欠勤が続いています。
電話をしても連絡が取れず、家に訪問しても留守で会えません。
解雇にしたいと思っていますが、どのようにすればよいでしょうか?」

と言うお問い合せがありました。

入社してそれほど期間が経っていない従業員の場合、いきなり何の連絡もなく
会社に来なくなって、そのまま辞めるということが時折見受けられます。

最近の若者は・・・では済まされない話ですね。

退職となれば、労働保険や社会保険はどうなるのか等々いろいろと手続きを
進めなければなりません。

では、こんなとき、どのように対処すればよいのでしょうか?

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┃懲戒解雇にする!?
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「無断欠勤」をすれば、懲戒解雇にすることができるでしょうか?

まず、無断欠勤が懲戒解雇に該当する旨の就業規則があることが
前提になります。

就業規則に規定がない、あるいはそもそも就業規則が無いのであれば、
懲戒解雇は認められません。懲戒という制裁をする根拠がないからです。

刑法に規定がなければ罰則を科せられないのと同じですね。

では、就業規則に無断欠勤が懲戒解雇に該当する規定があるとして、
1日無断欠勤をしたら懲戒解雇にできるのでしょうか?

これは、常識的に考えても無理だと分かるでしょう。
では、何日無断欠勤があれば懲戒解雇として合理的と認められるのでしょうか?

法律的には、
「2週間(14日)以上正当な理由なく無断欠勤し、出勤の督促に応じない場合」
が1つの目安とされています。

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┃懲戒解雇をするには?
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ところで、従業員を解雇するには、懲戒解雇の場合であっても、原則は、
30日前の解雇予告が必要になります。

しかし、「労働者の責めに帰すべき事由による解雇」の場合は、
労働基準監督署長の認定(解雇予告の除外認定)を受けて、
労働者を即時に解雇することができます。

ただし、この手続は面倒ですし、認定が下りるまでに2週間~1か月程度
かかります。

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┃他にいい方法はないか?
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無断欠勤者に対しては、就業規則において、無断欠勤という行為自体が退職の
意思表示であるとみなす規定(自然退職の規定)を定めておくことがおすすめです。

「14日間無断欠勤を続けた場合は、その最終の日をもって自然退職したもの
とする。」等の規定を定めておけば、会社からの解雇の意思表示や本人の
退職の意思表示がなくても退職の手続を進めることができます。

ただし、自然退職となる日数を30日より短く設定するのは、解雇予告手続きの
逸脱と見なされかねず、訴訟になるリスクがあるため、30日以上にしておくのが
ベターかと思われます。

なお、自然退職の場合、雇用保険の喪失手続きについては「自己都合退職」
として処理をしてもらえます。

また、社会保険については「健康保険被保険者証回収不能届」を資格喪失届に
添付し、被保険者証を回収できない旨を記入して手続きをすることになります。

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┃もし、自然退職の規定が無かったら?
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もし、自然退職の規定がない場合は、

「●月●日までにお返事ください。もし、お返事がなければ、●月●日をもって
退職したものとみなして、退職手続きを取らせていただきます。」

といった文書を簡易書留で送る方法を取るのでもよいでしょう。

簡易書留で送るのは、相手に届いたかどうかが分かりますし、いきなり内容証明
を送るよりソフトな対処の仕方だからです。

以上、今回は、無断欠勤者への法律的な対処の仕方を見てきました。

ただ、無断欠勤をすることは、当人にとっても気持ちのいいことではないはずです。

無断欠勤をすることでしか会社を辞めるという意思表示ができない本人、
そして無断欠勤によって迷惑が掛かる他の従業員、そんな関係は不幸ですね。

そんな関係を作らないためにも、上司や管理職の方は、普段から
従業員一人一人と対話するとともに、コンパ(飲み会)などのコミュニケーションの
場を作ることの方が、無断欠勤者をいかに法的にうまく辞めさせるかの
知識よりも、ずっと大切なのかもしれません。

 

  労務管理事務所 フォージョウハーフ
  人事労務コンサルタント 小西 繁雄  Konishi Shigeo
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 「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
  労務管理事務所フォージョウハーフ
  【所長】小西繁雄
  【URL】http://www.4jh.jp/
  【電 話】06-6945-5550
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【知って得する雑学クイズ!】の答え

2013年9月7日、日本時間8日。
2020年夏季オリンピックの開催を東京が勝ち取りました!!
オリンピック招致団のプレゼンテーションには感動しましたね。
さて、オリンピックと言えば金メダル、これまで夏季オリンピックで
最も多く金メダルを獲得した都道府県は下のうちどこでしょう?

(1)愛知県
(2)北海道
(3)東京都

正解は、(1)と(2)です。
北海道はこれまで9個の金メダル、愛知県も同じく9個。
東京都はそれに続く8個の金メダルを獲得しています。

7個が秋田県、茨城県
6個が青森県、新潟県、福岡県
5個が奈良県、熊本県

5個目でやっと関西が出てきました。
ちなみに大阪は4個です。

人口の割合からすると北海道は非常に金メダルの
獲得率が高いですね、冬季オリンピックならうなずけますが
夏季オリンピックで、この獲得数は素晴らしいと思います。

また、日本が獲得した競技別の金メダル数は、
柔道が36個、体操が29個、レスリングが28個と言った順になります。
レスリングが競技種目として存続したのは、
日本の金メダル獲得にはとても有利になりましたね。