Vol.168【心の病について】

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川相いい仕事マガジン vol.168
発 行:川相商事株式会社
Kawai Syouji Group
『働くよろこびを見つけるヒト』創造企業 https://e4510.jp/
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川相マガジン   e4510情報 (いい仕事情報)
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健康経営の取り組みとして、2023年6月1日〜6月28日に開催された
ウォーキングイベント(『第2回スマホde東海道五十三次ウォークラリー 2023 SPRING』)に参加しました。
28日間の結果は、平均歩数253,188歩を記録し、全国504団体中142位となりました。
イベントをきっかけに、運動不足解消の他、
社員同士で話が盛り上がり「コミュニケーション活性化」も図ることができました。
弊社では健康経営に取り組んでおりますが、
今後も自身の健康増進のために様々なイベントや制度を活用して、
従業員一人ひとりの健康増進と生産性の向上に努めてまいります。
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  「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
  労務管理事務所フォージョウハーフの日比野大輔がおくる
  社労士、日比野の現場紹介—☆★☆
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職場における心の病について
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いつもメルマガをご愛読いただき、ありがとうございます。
労務管理事務所フォージョウハーフでコンサルティングをしています石橋です。

ストレス社会といわれる日本においては、多くの人がストレスを抱えながら働いています。
精神障害を患い、治療をしながら仕事を続ける人や、
休職制度を利用する人もいますが、中には過労死で命を落とす人もいます。
ストレスをうまくコントロールしながら働くにはどうすればいいか、
そして職場で精神障害を持つ人に対してどうアプローチすればいいのか。
今回は職場における心の病について考えてみたいと思います。

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日本における精神疾患の状況
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まず初めに、日本における精神疾患の状況を見てみようと思います。

以前に比べて、精神疾患は身近な存在になったと考えられます。
精神疾患で通院、入院している人の数は、2002年には約258万人でしたが、
2017年には約419万人となり、15年で約1.6倍に増加しました。
そしてここ数年、新型コロナウイルスによる、
生活の変化が原因で「コロナうつ」を発症する人も増え、精神疾患の数はより多くなっています。

また2021年、仕事が原因で精神疾患を患い、労災認定された件数は629件で、
前年度比で21件増、1983年の統計開始以来、3年連続で過去最多を更新しました。
原因別で見ると、最も多い項目は「パワーハラスメント」で125件でした。
ここ数年働き方改革が浸透し、精神障害が労災の対象になることが浸透してきた結果、
件数が増えたのではないかと考えられています。

業種別にみると、最も多いのは「社会保険・社会福祉・介護事業」となっており、
医療業、道路貨物運送業、飲食店と続いています。

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職場における影響
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精神障害の特徴として、その特性を周りに理解してもらいにくいということがあります。

身体障害や知的障害と違い、精神障害は周りからなかなかその影響を図りにくいため、
「やる気がない」「手を抜いている」と思われてしまい、
本人が悩んでしまうということがあります。
実際にうつ病の症状として「気持ちが沈んでしまい何も手につかなくなる」や、
「朝どうしても起きられない」があることを考えると、
確かにそう思われてしまうのも無理はないかもしれません。

また、精神障害の特徴として「波がある」ということも、誤解を受ける要因かもしれません。
普段なら難なくこなせることも、日によってはどうしてもできないときもあります。
そういう特性を知らなければ「いつもできているのに何でやらないんだ!」となることは容易に想像できます。

また厚生労働省の調査によると、精神障害者の1年後の定着率は約5割となっています。
身体障害者や知的障害者の定着率が約8割であることを考えると、
やはり心の病を抱えながら働くことのハードルの高さがうかがえます。

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会社ができること、気をつけること
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では、どんなことに取り組めばよいのでしょうか。以下に挙げてみたいと思います。

《会社が取り組むこと》
●面談の機会を設ける
うつ等の症状があると、言いたいことを言えずふさぎ込んでしまい、結果症状が悪化することもあります。
会社から様子を伺ってあげることで、社員からのSOSに早期に気づくことができるかもしれません。

●会社ができるケアを行う
面談以外に、会社として取り組めることが他にもあるので、積極的に行っていくことも肝要です。
以下のようなものが挙げられます。

メンタルヘルス推進体制づくり……心の健康計画策定、取り組み内容の周知
セルフケア……従業員自身が不調に気づけるよう意識を啓発する
ラインケア……管理職が従業員の不調に気づけるよう研修機会を設ける
事業場内産業保健スタッフによるケア……産業医や産業保健スタッフとの連携
事業場外資源によるケア……医療機関やリワーク機関との連携

ただそれと同じくらい(それ以上に)、
本人が障害を乗り越えて元気に働こうとする気持ちを持つことが大切だと考えます。
具体的にどんなことに取り組めばよいでしょうか。

《本人が取り組むこと》
●治療、服薬を怠らない
まず障害を治すことが大事です。
精神障害は治療で治すことができますし、薬で症状を軽減させることもできます。
自分自身で何とかしようという気持ちをもって、治療に専念することがまず大事であると考えます。

●周りに相談する、必要な時は休む
とはいえ、病気は自分の思う通りにいかないものです。
治療をまじめに続けて、前向きに頑張ろうとしてもどうしても頑張れないときもあります。
同僚や上司に病気の特性や、どうしても頑張れないときがあるということ、
仕事をする上での困りごとをわかっておいてもらうことも大事かもしれません。

●自分の特性に合った仕事を探す
うまくいかないときは、配置転換や異動などでうまく働けるポジションを探すのも手だと思います。
ただ、どうしてもつらいときは切り替えて新しい仕事を探す勇気を持つことも時には必要ではないかと考えます。
合わない仕事、職場で無理を続けるとどんどん心身を消耗してしまいますし、
それは会社にとってもマイナスであると思います。
上司と話し合って、キャリアチェンジをするということも悪いことではないと考えます。

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最後に
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ただ、やはり大事なことは、働く側が「思いやりの気持ちを持つこと」だと考えています。
配慮してもらうことが当たり前、こんな大変な思いをしていることみんなもっとわかってよという気持ちが出てしまうとうまくいきません。

人が集まって協力しながら働く場において、お互い様の精神はとても大事です。
日頃「どうしてもこれがうまくできないんです、ごめんなさい」という気持ちを持っているからこそ、困った時に「僕たちが代わってあげる、大丈夫だよ」となると思うのです。
またそういう気持ちを持っていると、
せめて何かできることを率先してやっていこうという気持ちも出てくると思います。

やさしい心で足りないところを補い合う、そういう流れが自然に湧き上がるような風土ができると、
障害の有無にかかわらず誰もが働きやすい職場になるのではないかと考えています。

労務管理事務所 フォージョウハーフ
労務コンサルタント 石橋

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 「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
 労務管理事務所フォージョウハーフ
 【社会保険労務士】日比野大輔
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